とちラボメンバーの田中です。会社のブログで書いた記事をここに転記しますのでよかったら読んでください。

ランプまつりの舞台裏がわかるかと思います。

 

9/24(土)から9/25(日)の2日間、長岡市栃尾地域で「とちお夜のランプまつり」というイベントが開催されました。

私が所属するとちラボという団体が主催して今年初めて開催するイベントでした。

とちラボという団体についてまずは説明させていただきますと新潟県長岡市栃尾地域で暮らす若手有志で立ち上げた団体で現在メンバーは9名です。「うらやましがられる栃尾」を目指して、栃尾地域の豊かな資源を見直し、編集し、発信し、世界に誇れる栃尾づくりのため、研究・実践を行っています。https://www.facebook.com/tochi.lab/?fref=ts

今回の「とちお夜のランプまつり」は当時中学3年生だった高見梨花子さんが「栃尾の夜を明るくしたい」という想いからランプまつりというアイデアを考え、昨年、ながおか・若者・しごと機構が実施した仕事創造アイデアコンテストで最優秀賞に選ばれことに端を発します。この企画を何とか実現しようということで我々とちラボに白羽の矢が立ち、今回の開催となりました。

栃尾のメイン通りである谷内通りに糸繰木枠に糸を巻いたランプを設えて明るくしようというアイデアがメンバーから出された後は一気に事が動き出しました。

元々栃尾という地域は繊維業で栄えた町で私が子供のころはとても景気が良くて、いろいろなところで生地を織る織機の音がガッチャガッチャと聞こえたものでした。繊維で成り立っているといっても過言ではなかったと思います。しかし海外の安い労働力と技術力の向上に伴い、繊維業は衰退の一途をたどったのでした。今でも高い技術力を武器に世界で戦える会社も栃尾には存在していますが繊維業に携わる会社も人も最盛期の1/10くらいなのではないでしょうか。

そんな繊維の町で当時使われていた糸繰木枠に糸を巻いてランプにするというのはストーリー性もあるし、今では使われなくなったものに別の利用法を用意して再度スポットを当てるというリユースという考え方にも当てはまり、我々とちラボの「うらやましがられる栃尾」を目指して、栃尾地域の豊かな資源を見直し、編集し、発信し、世界に誇れる栃尾づくりのため、研究・実践を行うという理念にもピッタリ合致したのです。

そんな中、実際使われていた糸繰木枠がどのくらい現存していて、提供してくれる人がどのくらいいるのかわからなかったので弊社㈲田中工務店で糸繰木枠のレプリカをサイズを大きくして(一般的な糸繰木枠の2.5倍くらい)作ることになりました。

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糸繰木枠の製作状況。糸を巻くので糸が切れないように角をカンナで面取りします。
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最近の家づくりは手カンナを使う機会が減りました。大工さんらしい作業風景ですよね。
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木が組み合わさる部分の欠き込み加工。
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加工された部材。材種は耐候性もある杉です。
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組み立て作業。本物は仕口加工による木組みと最小限の釘で組み立てていますが今回のレプリカは省力化と強度優先でビス留めして作りました。
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加工場が糸繰木枠で溢れてきました。
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これが200台の糸繰木枠です。ピラミッド型に積み上げるとこれもまた絵になるんですよね!

ここまでが田中工務店の仕事です。

この先は田中工務店で作ったデカ糸繰木枠(とちラボメンバーがつけた呼び方)が200台と山信織物さんから提供してもらった本物のミニ糸繰木枠400台に糸を巻いてランプに仕上げます。

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これが糸繰木枠に巻く糸です。山信織物さんから提供していただきました。カラフルですね!
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とちラボメンバーによる糸巻き作業の様子。最初は手で巻いていました。

とてもじゃないが600台もの糸巻きは前の写真のような原始的な方法では無理!ということでこんな糸巻きマシーンをとちラボ代表の今井君が作りました。みんなは「産業革命だ!」と言って大絶賛しました。

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写真はとうきび観音まつりでのワークショップの様子。

今回はワークショップでたくさんの一般の方からも糸巻き作業をしてもらいました。人によって色のチョイスや組み合わせ、巻き方が違ってバラエティに富んだランプができました。

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糸を巻くとこんな感じになります。

さて次はランプと呼ぶくらいですから光らなきゃ嘘ですよね。

LEDランプ、抵抗、放熱板、電池ユニット、をはんだ付けで結線して光源ユニットを作ります。

まさに家内制工業による手作りです。

電池式なので電源がなくてもどこでもセットできるのが利点ですが、そのかわり一つ一つスイッチを入れないと点灯しないということになります。

光源ユニットの製作状況。作業しているのは光源ユニット発案者の岩間氏。恐ろしく根気のいる作業です。
光源ユニットの製作状況。作業しているのは光源ユニット発案者の岩間氏。恐ろしく根気のいる作業です。

後は糸繰木枠ランプに光源ユニットと吊り下げ用の麻ひもを取り付けて完成です。

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吊り下げるための麻ひもの取り付け状況。
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ボランティアスタッフにも手伝っていただき最後の追い込み作業。
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こうやって全部で600台のランプを作りました。ちなみにこの写真のものは本物のミニ糸繰木枠ランプです。

さて出来上がりをご覧ください。

雁木につるした糸繰木枠ランプ。昼間見てもとても綺麗です!
雁木につるした糸繰木枠ランプ。昼間見てもとても綺麗です!
夜の糸繰木枠ランプ
夜の糸繰木枠ランプ
ランプまつり当日の谷内通りの様子
ランプまつり当日の谷内通り。商店会の協力ですべての街灯を消してもらいました。
谷内通りの雁木に1m間隔でランプを吊るしました
谷内通りの雁木に1m間隔でランプを吊るしました
ランプまつり当日の谷内通り。商店会の協力ですべての街灯を消してもらいました。
田中工務店で製作したデカ糸繰木枠ランプも綺麗なアカリを灯していました
神明橋のインスタレーション。車が一台やっと通れる小さな橋でとても趣があります。糸繰木枠ランプがとても似合います。
神明橋のインスタレーション。車が一台やっと通れる小さな橋でとても趣があります。糸繰木枠ランプがとても似合います。
ランプと橋と西谷川
ランプと橋と西谷川
流木のオブジェに吊るした糸繰木枠ランプ。ほんと美しかった!
流木のオブジェに吊るした糸繰木枠ランプ。ほんと美しかった!

ランプまつりの日に思ったことは我々の住む栃尾という町はとてもこの糸繰木枠ランプが似合うということです。

地方都市に多くみられるアーケード街ではなく、このちょっと懐かしい感じのする雁木通りだからこそのことだと思います。

ランプまつり当日の様子はこちらをでもご覧ください。

トチオノアカリ協議会 | Facebook

今回の「とちお夜のランプまつり」を振り返ってみると、まずは栃尾の町を明るくしたいという高見梨花子ちゃんのビジョンがあって、それに賛同した人たちがビジョンを共有しながらイメージを膨らませて知恵を出し合い、一致協力して実現した一つの夢なんだと思います。

おかげさまで栃尾の町にこんなに人があふれたのは見たことないと商店街の人たちが言うほどの盛況ぶりでした。

高見梨花子ちゃんの夢は実は栃尾地域みんなの夢だったんだと思ってます。

だからたくさんの人が共感して見に来てくれたんだと。

僕たちは栃尾の未来に向けて確かな手ごたえと何かが動き出したんだということを感じ取ることができました。

さて、私はというとランプまつりが終わった今になってもこの出来事は夢だったんじゃないかと思うくらいですが、そろそろ夢から覚めて日常の自分に戻りたいと思います。